愛媛県の事業承継事情2025年版
2025/08/13
― 円滑な承継に向けた準備とは ―
「うちの会社も、そろそろ事業承継を考えないといけないんだけど…」
そんな声を、愛媛県内の経営者から耳にする機会が増えてきました。
後継者問題は全国的な課題ですが、地方ではより深刻です。
今回は、愛媛県の現状を踏まえながら、スムーズな事業承継のポイントについて整理してみたいと思います。
◆ なぜ今、事業承継なのか?
帝国データバンクの調査によれば、愛媛県内の中小企業の約6割が60歳以上の経営者であり、**後継者が「いない」「未定」**と回答した企業も半数を超えています。
✔ 事業承継の準備には「5〜10年」かかるとも言われています。
つまり、「いざ」という時には間に合わない可能性もあるということ。
元気なうちからの準備こそが、円滑な承継の第一歩です。
◆ 親族内承継が難しくなっている時代
一昔前のように、「子どもが会社を継ぐのが当たり前」という時代ではありません。
今では、
・子どもが県外で就職し、戻らない
・戻ってきても継ぐ意欲がない
といったケースが非常に増えています。
そのため、近年では社内の幹部社員への承継や、第三者へのM&Aによる承継を選択する企業が増えています。
愛媛県内でも、M&Aによる承継が増加傾向にあることは間違いありません。
◆事業承継 2つの大きな障壁
事業承継においては、実務、業務の承継は当然として、更に2つの大きな障壁がついて回ります。それが保証の障壁と株式承継の障壁です。
【1】保証の障壁
業績がよく法人個人分離ができていれば代表者保証は不要のケースも増えてきました。しかしながら法人の借入を代表者が保証することはまだまだ一般的です。特に第三者承継においては、この保証の障壁が大きく立ちはだかることがあります。
【2】株式承継の障壁
株式の移転は経営権の移転です。その意味でも事業承継においては株式承継をいかにスムーズに計画的に行うかが非常に重要です。業績がいい会社であればあるほど相続税や贈与税の負担で承継が困難になることが多いです。
相続税や贈与税の納税猶予制度はありますが、安易に使うと逆にリスクとなることもあります。計画性をもって承継をおこなう必要があります。
上記の問題に共通している問題は、「会社の中が見えないこと」です。
・財産や負債の内容があいまい
・業績や財務状況がわからない
・資本関係や権利関係の整理が不十分
こうした状態では、親族にも社内の人にも、外部の承継候補者にもバトンを渡しにくくなります。
「見える化された会社」こそが、承継されやすい会社
なのです。
◆ 事業承継は、先代経営者の「最後のラブレター」
事業承継問題を後回しにすると、残される後継者や社員さんたちの能力が、最大限に発揮されることはありません。
事業承継は、「最後の経営課題」とも言われます。
相続や贈与、人間関係・保証などが絡む複雑なテーマのため、どうしても後回しになりがちです。
でもご安心ください。
きちんと準備しておけば、事業承継は決して怖いものではありません。
会社を次世代に円滑に承継することは、先代経営者の義務なのです。
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