愛媛県の若手後継者不足問題と事業承継支援の最新動向
2025/10/03
愛媛県の若手後継者不足問題と事業承継支援の最新動向
~地域を支える「中小企業」を守るために~
近年、全国的に「事業承継」の重要性が叫ばれていますが、愛媛県においてもその問題は深刻さを増しています。特に、中小企業や個人事業主が地域経済を支えている愛媛県では、「後を継ぐ人がいない」という声を、以前にも増してうかがうようになりました。
中小企業庁の統計によると、愛媛県では経営者の約7割が60歳以上であり、今後10年以内に引退を検討しているケースが急増していると言われています。しかし、後継者が決まっている企業はわずか半数以下にとどまっており、まさに「地域の根っこが、ごっそり抜け落ちそう」な危機的状況にあります。
【後継者不足のリアル】
「子どもには継がせたくない」「都会に出てしまって帰ってこない」「子どもたちには好きなことをしてほしい」――
こういった声に触れるたび、事業承継の難しさを痛感します。事業承継というと、どうしても“相続”や“税金対策”といった課題もありますが、実際には「想い」の継承こそが一番の課題となることも多いのです。
【支援策の広がりと限界】
こうした状況を受け、国や県、金融機関による事業承継支援の動きも活発になっています。
例えば、
・日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援
など、「後継者がいない」という企業と「継ぎたい」という人材をマッチングする仕組みが整備されてきています。
さらに、M&Aを活用した“第三者承継”も注目を集めています。「親族に限らず、社外の人に会社を託す」という選択肢が、今後ますます重要になってくるでしょう。
とはいえ、「制度があるから安心」というわけではありません。支援制度をうまく活用できるかどうかは、経営者の“覚悟”と“準備の早さ”に大きく左右されます。
【事業承継は“相続”だけじゃない】
税理士として強くお伝えしたいのは、「事業承継=相続対策」ではないということです。もちろん、相続税や贈与税の問題もありますが、事業承継には
・経営権の承継
・財産の移転
・従業員や取引先との関係の整理
・先代経営者の覚悟
など、多面的な準備と戦略が求められます。
「まだ元気だから」「うちは小さな会社だから」と準備を後回しにしていると、いざというときに手遅れになってしまうかもしれません。
【愛媛の未来をつなぐために】
愛媛県に限らず、地域経済は“顔の見える商売”に支えられています。町の工務店、海辺の造船所、果樹農家、地元密着の卸売業――こうした「地域の柱」を次の世代へ引き継ぐことが、地域そのものを未来へつなぐことになります。
事業承継は、一朝一夕では成し得ません。しかし、5年、10年先を見据えて“今から”準備をすることで、そのハードルは確実に下がります。
「うちは誰に継がせようか」「どうやって株を移そうか」
そう思ったときこそが、事業承継のスタートラインなのです。
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