中小企業のAI活用、ゴールは『業務効率化』ではない
2026/09/23
中小企業がAIを活用していく場合、僕は「順番」があると思っています。
大きく分けると、次の4つのステップです。
1.ChatGPTなどの「チャットAI」を使う
まずはここからです。
文章を作る、メールを考える、アイデアを出す、調べものをする、会議の内容を整理する。
AIを「優秀な相談相手」として、日々の仕事の中で使ってみる段階です。
大切なのは、一部の詳しい人だけではなく、経営者や社員さん自身がAIを使ってみること。
まずは「AIに慣れる」ことがスタートだと思います。
2.会社の知識をAIに持たせる「RAG」
次の段階は、一般的なことを答えてくれるAIから、**「自社のことを分かっているAI」**へ進化させることです。
例えば、就業規則、業務マニュアル、社内ルール、商品資料、過去の事例、よくある質問などを整理し、AIが参照できるようにする。
すると、
「この仕事はどう処理するの?」
「この場合の社内ルールは?」
「この商品についてお客様から質問されたら?」
といった質問にも、自社のルールや情報に基づいて回答できるようになります。
実はこの段階では、AI導入そのもの以上に、会社のルールやノウハウを整理することが重要になります。
3.AIエージェントによる「業務効率化」
さらに進むと、「質問したら答えてくれるAI」から、「仕事をしてくれるAI」へ変わっていきます。
例えば、
問い合わせメールを確認する。
↓
内容を判断する。
↓
返信案を作る。
↓
担当者に確認を求める。
↓
顧客管理システムに記録する。
こうした一連の業務をAIエージェントに任せることが考えられます。
人間が一つひとつAIに指示するのではなく、AIが自律的に仕事を進める。
ここまで来ると、AIによる業務効率化の効果はかなり大きくなってくると思います。
4.AIを使った「価値創造」
そして、僕が最も重要だと考えているのが、この4段階目です。
AIを使って「今までの仕事を早くする」だけではなく、
「今まで提供できなかった価値を、お客様に提供できないか?」
と考える段階です。
AIによって社内業務を効率化するだけではなく、
「AIがあるからこそ、お客様に提供できる新しい商品・サービスは何か?」
ここまで考えて、初めてAIが「本当の経営の武器」になるのではないでしょうか。
もちろん、この4つが必ず順番通りに進むとは限りません。
「1と2を同時に進める」
「いきなり3から始める」
という会社もあるでしょう。
ただ、経営者が意識しておきたいのは、AI活用のゴールを「業務効率化」だけにしないことです。
業務効率化はもちろん大切です。
当事務所でもどんどん進めていますし、お客様にも積極的にご提案していきます。
ただ、そこで終わりではありません。
AIで時間を生み出す。
AIで会社の知識を活用する。
AIに仕事を任せる。
そして、AIで新しい価値を生み出す。
最終的には、
「AIを使って、自社のお客様にどんな新しい価値を提供できるのか?」
ここまで一緒に考え伴走する税理士事務所でありたいと思っています。
次回からは、
「①チャットAI」
「②RAG」
「③AIエージェントによる業務効率化」
「④AIによる価値創造」
について、中小企業では具体的に何ができるのか、一つずつ掘り下げてみたいと思います。
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